2014年10月28日火曜日

解決への道のり長きノズル置き去りアクシデント

ツイッターでも予告しましたお笑いレストア道場近況報告です。前回7月のブログで、 Tipoオーバーヒートミーティング参戦断念という悔しい決断報告をしましたが、恐ろしきことに僕らお笑いレストア道場チームは、この時の決断の原因となったヘッドトラブルに未だ悩まされております。


そのトラブルとは、プラグホールに差し込んだコンプレッションテスターのノズルが抜けなくなるという事件で、発生は6月18日。原因はどうやら、テスターノズルを保持する軸受けネジ部分をプラグホールに斜め締めで締め込んでしまったことにありました。単純な作業ミスによるアクシデントではありましたが、プラグホールに差し込まれる約220mmのノズルを保持するこの小さな軸受けネジが、プラグホールにガッチリ食い込んで全く抜けなくなるというこのトラブルに、お笑いレストア道場は笑えない状況に陥ることになりました……。

お笑いレストア道場を苦しめるトラブル図。本来軸受けネジAに回転トルクを伝えるはずの鉄製の外筒はすでにナメてしまっていたので、サンダーで切り分け分解し取り出し済み(Tipo304号参照)。しかしプラグホールへのアクセスポイントには、燃焼室まで伸びる約150mmの鉄製エアノズルが残ったまま。そのためドライバーやソケット、ペンチなどといった一般的な工具がまったく入らない状況。また水平対向ヘンジンを収めるエンジンルーム内は横方向のスペースもほとんどありません。そのため軸受けネジAの位置や状態を確かめるのも一苦労と、作業条件は極めて悪いものでした。
ヘッド奥の見えない位置でもネジにトルクがかけられるようにと、8月中に専用工具を自作してみるも、まさかのサイズミスで使い物にならず(Tipo304号)。そこで専用工具の設計図を起こし加工屋さんに工具製作を発注するという案も考えましたが、しっかりサイズを合わせさえすれば自作工具でも立ち向かえるとの石田ショーキチ師範の判断。ということで9月の作業では、再度工具の自作にチャレンジ。写真は工具製作のためトーチ溶接中の師範です。
筒状のロングソケットを2個つなぎ合わせ先端部を加工し作った約100mmの工具。中空となっているため、ゲージノズルをかわしながら再奥の軸受けネジ部にアクセスできる計算です。今回は径もしっかり合わせました。

予定どおり軸受けネジAにアクセスはできたものの、予想以上に強烈に噛み込んでしまっているようで、作った工具の先端部分はぐにゃりと曲がってしまいました。三たびの失敗……。

見えないネジに工具の入らない作業性の悪さ。ついに師範、「よし決めた! も一回エンジン下ろそう!」と決断。アキノリさんも僕も「マ、マジすか〜!(せっかくエンジン載せたと思ったのに〜 泣)」

10月16日。2時間くらいで意外とあっさりエンジン下ろし完了。

久しぶりのエンジンのエンジン下ろしでテンション↑のアキノリさん、お約束の人間エンジンの記念撮影を師範にお願いしているの図。

エンジンを下ろしたことでついに正面から軸受けネジを捉えることに成功。あとひと息! ところがこの日の作業中に、僕はギックリ腰を発症。というわけで引き続きの作業を師範とアキノリさんに託すこととなりました。

10月19日の日曜日夕方、ギックリ腰のためこの日のレストア道場を欠席した僕の携帯に、師範からメッセージ着信アリ! 



メッセージには、あの軸受けネジが取り出されている写真が。苦節4ヶ月、ついにやったー! ……がしかし、写真だけで文章のないメッセージに、わずかではありましたが不穏な空気も感じていたりいなかったり……。


予感的中。

なんと、最初の図にも示しているノズル先端のナットBが、シリンダー内側で変形してしまいエアノズルともども抜けなてこないという事態が発生していました……。というわけでエンジンヘッドには未だノズルが残ったままトラブルは未解決。お笑いレストア道場、ピンチの時は続く!