現在ようやくエンジンを下ろす段まで到達したのですが、今回はここまでの日々を簡単に振り返ってみたいと思います。
石田師範のナロー号、さてどうやって再生させるか?
レストア前のナローの状態は、お笑いレストア道場ウェブサイト「師範のナローポルシェ」メニューにある通りの惨状。この現状を踏まえ、まず最初の作業時に石田ショーキチ師範と日岐(レストア開始当初はレストア練習生は日岐のみでした)とで作業見通しのミーティングを実施。その時、石田師範が立てた作業見通しを当時のメモをもとにまとめてみますと、次のようになります。
<内装>
・ヘッドライニング張り替え
・ダッシュ脱着/清掃、オーディオ&スピーカー交換
・シート洗浄
・腐蝕したフロアの軽板金と防蝕処理。サビ対策はPOR-15処理で対応予定
・メインキーシリンダー交換
<電装>
・ヒューズボックス清掃、ヒューズ交換
・デスビのポイントレス化
・レギュレーター交換
・フューエルポンプ交換
・ウインカーレバー交換
・(オルタネーターOH)
・バッテリー交換
<エンジン>
・エキゾーストパイプ補修
・バルブクリアランス調整
・キャブレターOH
・エアクリーナー交換
・バタフライリンケージシャフト塗装
・ファンシュラウド再塗装
・ファンケース/ファン磨き
<駆動系統>
・シフトブッシュ全交換
・エンジンマウント交換
・CVブーツ交換
<足まわり>
・タイヤ交換
・ホイール補修(磨き)
<その他>
・油脂類総交換
<外装>
→板金をどうするかが課題
Tipoの連載でも書いているのですが、石田師範のクルマ遊びの線引きは「等身大で楽しく」というところがポイント。そのため、911ナローのレストアと言っても大金をかけてピッカピカにというところを目指してはいません。40年前のスポーツカーで、もう一度走って遊びたい。その気持ちを実現するための、等身大のポルシェレストア。もちろん道場メンバーも大賛成です。
だからこそ作業場は今ある環境の青空駐車場で進めて行こうということになり、そんな環境で壁や失敗があっても笑いながら乗り越えて行きましょう、ということで「お笑いレストア道場」はスタートしました。そんなわけで、メニューをご覧いただいてもわかると思いますがいわゆる「フルレストア」というものとは目指している方向性が異なっています。
……とは言うものの、それでも結構な作業ボリューム!!!(笑)
これまで作業を進めてきた中、失敗あり、新たな課題ありと、作業項目もずいぶんと更新されていますので、最新の作業予定なども道場日記で随時お伝えできればと思っています。
これまにやり遂げた作業は大きく分けて3つ!
① ブレーキキャリパーOH(Tipo参照:286、287号)
② キャブレターOH(同288、289、290号)
③ エキマニの補修(同291、292号)
最初にブレーキキャリパーOHを実施することになった理由は単純で、いざナローを転がして移動させようとなった時、現状のままではキャリパー内のピストンが固着してしまっていて転がすにも転がせなかったため。そんなわけでして、
「んじゃ、まずはキャリパーOHからやっちゃいましょか!!」
という石田師範のかけ声とともに、お笑いレストア道場が本格的にスタートしたのでした。レストア練習生の僕にとってはほぼ全てが初めての作業。冗談抜きで、ボルトひとつ緩めるのももの凄い手間取る始末。そんな中、石田師範の作業ぶりは手慣れたもので、固いボルトもビシバシしばき上げ、ガシガシと作業を進めていきます。
「前の家で914がガレージにあった時は、僕毎晩のようにこんな感じだったんですよ」
と師範。どうやらサンデー整備士どころの話ではなく、”ミュージシャン兼整備士“の勢いでクルマ遊びに没頭していた模様です。師範の工具箱にはミリ、インチの各種ハンドツールをはじめとする一般的な工具類はもちろん、手まげ加工がしてある自作工具や、ボルトを破損した時用のエキストラクターも常備。僕も手持ちの工具を持って参加していますが、基本的には石田師範の工具を借り、使い方も含め指南してもらいながら作業を進めています。
ちなみに、固まったキャリパーをこじ開けるためのブレーキセパレーターがなくって、こればっかりは早速お友達に借りていた石田師範でした。
2012年10月29日午後の作業でまずキャリパーを全て取り外し、翌11月29日の作業でキャリパー本体OHを実施。3回目の作業となった12月3日にはキャリパー磨きと車体への取付けが完了。年が明け2013年1月29日に真新しいブレーキフルードを注入し、ようやくキャリパーが本来の姿を取り戻してくれたのでした。
ここに、不動のナローに立ち向かう石田師範、レストア練習生のアキノリさん、そして僕というお笑いレストア道場メンバーができあがったのでした!!
② キャブレターOH(同288、289、290号)
③ エキマニの補修(同291、292号)
最初にブレーキキャリパーOHを実施することになった理由は単純で、いざナローを転がして移動させようとなった時、現状のままではキャリパー内のピストンが固着してしまっていて転がすにも転がせなかったため。そんなわけでして、
「んじゃ、まずはキャリパーOHからやっちゃいましょか!!」
という石田師範のかけ声とともに、お笑いレストア道場が本格的にスタートしたのでした。レストア練習生の僕にとってはほぼ全てが初めての作業。冗談抜きで、ボルトひとつ緩めるのももの凄い手間取る始末。そんな中、石田師範の作業ぶりは手慣れたもので、固いボルトもビシバシしばき上げ、ガシガシと作業を進めていきます。
「前の家で914がガレージにあった時は、僕毎晩のようにこんな感じだったんですよ」
と師範。どうやらサンデー整備士どころの話ではなく、”ミュージシャン兼整備士“の勢いでクルマ遊びに没頭していた模様です。師範の工具箱にはミリ、インチの各種ハンドツールをはじめとする一般的な工具類はもちろん、手まげ加工がしてある自作工具や、ボルトを破損した時用のエキストラクターも常備。僕も手持ちの工具を持って参加していますが、基本的には石田師範の工具を借り、使い方も含め指南してもらいながら作業を進めています。
ちなみに、固まったキャリパーをこじ開けるためのブレーキセパレーターがなくって、こればっかりは早速お友達に借りていた石田師範でした。
2012年10月29日午後の作業でまずキャリパーを全て取り外し、翌11月29日の作業でキャリパー本体OHを実施。3回目の作業となった12月3日にはキャリパー磨きと車体への取付けが完了。年が明け2013年1月29日に真新しいブレーキフルードを注入し、ようやくキャリパーが本来の姿を取り戻してくれたのでした。
OH前のキャリパー。ピストンはすっかり固着しダストブーツもこの有様 |
セパレーターでグイグイとピストンを動かし、固着部分を剥離していきますその後、フルード口からエアコンプレッサーで高圧エアを吹き込んだり、万力をかけたりしてピストンを押し出しました |
オーバーホールキット。師範のポルシェなので、部品は全て石田師範が調達します。 「部品の調達は914で散々勉強しましたからね!」と師範 |
ピストンは、車両の進行方向に対し、指定角度の角度でキャリパーに組み込む必要があります。
この際、角度の基準はピストンにある切りかき位置で合わせます
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「おかしい、ダストブーツがはいらねぇ!」と、さんざん格闘した末に、ダストブーツが2枚重ねになっていたことに気づき、照れる師範 |
キャリパーをサンダー磨き。 |
さてこのブレーキOHの最後の作業の際、ミュージシャンの鈴木秋則さん(以下:アキノリさん)がお笑いレストア道場の門を叩きます。その経緯はお笑いレストア道場ウェブにもありますので割愛しますが、とにかくアキノリさんも空冷ワーゲンを乗り継ぐなど大の旧車好き。レストア経験まではないけど、同じ元空冷乗りのクルマ好きということもあってレストア道場にレギュラー参戦してくださることに。
ここに、不動のナローに立ち向かう石田師範、レストア練習生のアキノリさん、そして僕というお笑いレストア道場メンバーができあがったのでした!!
不動のナローに座り感激するアキノリさん |
今回の道場日記はここまでです。次回は②キャブレターOHと③エキマニ補修について、振り返ろうと思います。お楽しみに!